Der Glockenbaum

独逸在住日本人の日々想ふこと。

ドイツにおける移民の所得推移 - 数字で見るドイツ

今日はドイツの全国紙の一紙Frankfurter Allgemeine Zeitung(通称FAZ)から面白い記事を一本。

ドイツは移民に関して国の政策としては比較的寛容な国です。(国民が移民受け入れに関して肯定的かどうかということは除きます。)

例えば、外国人でも就労し5年間税金を納め同時に年金の支払いもきちんと行っていれば、犯罪歴等がない限り永住権が取得できるなど、移民や外国人受け入れに厳しい英国やフランスなどと比べて比較的寛容な国だと言えると思います。

そんな移民にも亡命、難民、経済的理由からなど様々なケースがあるかと思います。

今日はその移民の人々の生活について、ドイツへの移住前と移住後でどのように所得水準が推移したかという統計がFAZに掲載されていましたので紹介したいと思います。

http://media1.faz.net/ppmedia/aktuell/wirtschaft/3161773322/1.3223659/default/wie-sich-der-verdienst-von-einwanderern-verbessert.jpg

出典: Frankfurter Allgemeine Zeitung: Das verdienen Einwanderer hierzulande mehr

Wie sich der Verdienst von Einwanderern verbessert

Viele Menschen ziehen nach Deutschland, weil sie hier besser verdienen können. Die Grafik von Statista zeigt die Ergebnisse einer Untersuchung des Instituts für Arbeitsmarkt- und Berufsforschung (IAB) der Bundesagentur für Arbeit. Demnach verdienten die Befragten Zuwanderer ein Jahr vor der Einwanderung in ihrem Heimatland monatlich im Schnitt 506 Euro, in Deutschland nun 1273 Euro. Bei Männern ist die Verdienststeigerung meist größer als bei Frauen. Auch die Werte je nach Herkunftsland unterscheiden sich.

いかに移民者の所得が向上したか

ドイツへはその良好な経済状況から多くの人々が移住してきます。Statistaの上のグラフはドイツ連邦雇用庁の一組織である労働市場及び職業研究機関(IAB)が実施したある調査の結果を示しています。それによると、アンケートに回答した移民者はドイツへの移住の一年前に各々母国で平均して506EUR/月稼いでおり、それがドイツでは1273EURに上昇していることが伺える。特に男性では大方その所得推移の幅が女性よりも大きいことが見て取れる。また、移民者の出身国によってもその値は異なることもわかる

表では赤棒がドイツ移住後の月平均所得(手取り額)、青棒が出身国での月平均所得(手取り額)を表している。

表左にある縦の項目は上から

これらの項目を見てみると、旧EU加盟国と新EU加盟国出身者の間には1806-1241= 565EUR(ドイツ移住後)と所得に大きな開きがあることが読み取れます。それは2004年のEU加盟国の拡大で加盟した国々のほとんどが旧共産圏の国だったからです。そもそも「旧EU」「新EU」と区別している時点で大きな相違があることが伺えます。ドイツ移住前の彼らの所得に注目してみても旧EU諸国出身者は1172EUR、新EU諸国出身者は497EURと自国での所得の段階から倍以上の差があることが見て取れると思います。

旧EU諸国出身者に次いで高い所得を得ているのが、1266EUR/月で東南ヨーロッパからの移民者です。

そしてその次に新EU諸国出身者と続いています。

また旧CIS諸国(独立国家共同体)の旧加盟国、即ち(恐らく)グルジアとウクライナに関しては自国での所得が307EUR/月だった人々がドイツでは1176EURを平均して稼いでいることがわかります。これは所得がなんと約3,8倍に増えているということになるのです。

このように欧州連合と一言で言っても、その加盟国諸国の間には未だになお大きな経済的格差があるということは頭に入れておいた方がいいでしょう。

こうした状況によってEU圏内の国々でも物価に大きな違いがあったり、または経済的な状況からEUには加盟したが通貨EUROは導入していないという国もあるのです。

島国である日本からはなかなか想像しにくいかもしれませんが、EU内での規制が緩和された現在において人や物の移動は比較的簡単になり、越境の際もパスポートを必要としないことが多々ある今、旅行でヨーロッパを訪れる際はこうした状況も踏まえて観光をしてみると違った一面が見えてくると思います。

そうした国々の違いを陸続きで気軽に体験することができるのもヨーロッパの魅力の一つですね。

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