Der Glockenbaum

独逸在住日本人の日々想ふこと。

効率的な外国語学習法 - 「スピコン法」

今日は外国語を学ぶ上で効率的な方法について記したいと思います。

日本で生活していると、当たり前ですが普通は日本語での生活になりますよね。

外国の人と話をしたいけれども、外国人が周りにいないということも多々あります。

その為、外国語を勉強しているとしても、インプットはあってもアウトプットがないというのが日本の言語学習の常です。

日本人は文法は得意だけれど話すのは苦手というのは、こうした日常に練習の場がないということにも起因するのかもしれません。

ヨーロッパに関して言えば、ほとんどの欧州諸国は現在ではEU(欧州連合)に加盟しており、シェンゲン協定などの諸協定により今では人やモノの移動がほとんどの地域において自由にできるようになっています。

その為、日常の生活においても隣国や欧州諸国からの「外国人」と触れ合う機会は実に多く、言語を学習する上では非常に恵まれた環境が整っていると言えます。

例えばドイツでスペイン語やイタリア語を学びたいという場合、スペインレストランやイタリアンカフェに行けば大抵の場合は現地の人々が働いているので、わざわざスペインやイタリアまで足を運ばなくてもそこで学びたい言語を試しに使って練習することもできるわけです。

尤も、欧州内では先にも記したように人やモノの移動が自由なため、時間に余裕があれば飛行機で1~2時間も飛べば大半の欧州の国々には行けるので週末にちょっとLondonに中華、WienにDemelのザッハー・トルテを食べに行くといったことも可能です。

日本が韓国や中国に気軽に行けるのと同じ感覚ですね。

では、日本でヨーロッパ系言語を効果的に学習するにはどうすればいいでしょうか。

一番良いのは学びたい言語を話すネイティブの友達を作り、頻繁に交流することでしょう。

しかし、そこは島国日本。そう簡単にはいきませんよね。

それに仮に外国人の友人ができても、それだけでは話せるようにはなりません。

やはり言語を外国語として学ぶ(ネイティブとしてではなく)以上、きちんとした文法やボキャブラリーの勉強は避けては通れません。

よく日本で恥ずかしいなと思うのは、多くの日本人が未だに「外国にしばらく住んでいたらその国の言葉をはなせるようになる」と大きな勘違いしていることです。

これは大きな間違いです。外国語というのは幼少期に習得するのは別として文法などをきちんと学ばなければ話せるようにはなりません。

これは日本にいようがヨーロッパにいようが同じことです。

外国語を学びたいと思ったらまずは独学でもいいので、文法書を一冊買ってひと通り学習してみることです。

では日本で外国語を学習するにはどのような方法がいいのでしょうか。

  1. 語学学校に通う
  2. Skypeを通じた語学レッスンを受ける
  3. 文法書や問題集を使ってひたすら勉強する
  4. 外国人の友人を作って生の発音などに触れる
  5. Lang-8に代表されるようなサイトを利用し、自分の文章をネイティブに添削してもらう
  6. スピーチコンテストや弁論大会、暗唱大会などに参加する

などがあげられると思います。

  1. 語学学校ですが、これは学校選びが鍵を握ります。

    日本で言う語学学校はベルリッツ、イーオンなど会話中心のところが多いと思いますが、これはある程度文法知識がある人にとっては効果があると思います。

    文法を正しく理解していない場合、事前に文法の学習は必須です。

    なので、語学学校を利用して外国語を勉強する際は注意が必要です。

    一番は文法もしっかり教えてくれる学校に通うことだと思います。

  2. Skypeでの語学レッスンも同様です。

    まずは文法知識がなければ会話を勉強しても伸びしろは限られています。

    私の経験ではこうしたSkype語学レッスンはほとんどが会話中心。

    文法を教えているところはほとんど聞いたことがありません。

  3. こちらは外国語学習としてはあまり魅力的ではないように聞こえますが文法の知識を習得する上では避けては通れない必須項目だと思います。

    ただ、独学で気をつけなければいけないのが、アウトプット不足による発音などの偏りです。

    折角勉強した言語も発音が通じなくては意味が無い。

    要するに独りよがりにならないということですね。

  4. 先にも書いたように、外国人の友達との交流だけでは語学は上達しません。

    ただ、ネイティブの発音が学べる上、自分の語学力が通じるかなどの試しにはなると思います。

    それになにより、語学は人との交流が目的。

    自分の言いたいことを言えるように練習することは大切です。

  5. 現在ではインターネットのおかげで、自分が学びたい言語で作文などを投稿し、それを見たネイティブがその文章を添削してくれるという便利なサイトがあります。

    そのようなサイトは多くの場合、無料で登録・利用できますのでそういったツールを用いての勉強も効果的かもしれません。

  6. 実は私が今日最もオススメしたいのはこれです。

    そう。スピーチコンテストや弁論大会。

    こうした大会は上手い人が出るものだと思っている方が多いかもしれませんが、実際のところそんなことありません。

    実際、レベルなんて関係ないんですよ。

    実は私も以前、幾つかの言語でスピーチコンテストなどに数回出場したことがあります。

    出る前は「自分が?」と思っていましたが、いざ出ることを決めてみると人前で恥をかきたくないという思いから、一心になってテキストを作り、ネイティブに添削してもらい音読してもらったものを録音し、それを何度も聴いて必死で覚えました。

    そうした工程の中で、文法的に文章を解釈する力が身につき、発音もネイティブのものを何度も聴いて練習するので自然な発音が身につきます。

    私の場合、10年以上経った今でもテキストの内容を結構覚えているのでそれに自分でも驚きます。

    それに何より、このような場に参加すると同じ志を持つ仲間との出会いもあり、とても良い刺激になります。

    人の発表を聴くのもいい勉強にもなりますし、そういう場には概ねネイティブの方々もいらしていることが多いのでそこで新たな交流が生まれることも多々あります。

    またこれは副次的かもしれませんが、多くの大会の場合、優勝すると航空券・旅行券や語学コースへの参加資格などが賞品として提供されるのでそれを目指すのもいいかもしれませんね笑

    この「スピコン法」は短期間でとても効果がある方法だと思います。

    もちろん最低限の文法の知識は必要だと思いますが、それ以上に始めてみると人前で恥をかきたくないという思いが働くので学習にもより一層力がはいるのです。

 

英語のスピーチコンテストや弁論大会は日本でも数多くあると思います。

では、他の言語はどうでしょうか。

折角なのでドイツ語の大会について調べてみました。

英語以外の外国語での弁論大会やスピーチコンテストは多くの場合、大学やそのクラブなどが主催しているところがほとんどだと思います。

実際、ドイツ語も例に漏れず日本でドイツ語の弁論・暗唱大会を定期的に開催しているところはそのほとんどが大学のようです。

会期順にまとめてみました。

ちなみに京都外国語大学と獨協大学の弁論大会は毎年同じ日に開催されます。

東と西で何かライバル意識でもあるのでしょうか。

 

またこの他にも、以前はケーズデンキの系列会社である非営利株式会社ビッグ・エス・インターナショナルが定期的にドイツ語のスピーチコンテストを開催していたようですが、現在では開催されていないようです。

第10回ドイツ語スピーチコンテスト | スピーチ・作文コンテスト | 非営利株式会社ビッグ・エスインターナショナル

このように単発的もしくは続かない大会が多い中で、上の4大学では長きに亘り大会の開催を継続されているようです。

上の京都外国語大学の「全日本学生ドイツ語弁論大会」の様子のハイライト動画がいくつかYouTubeにアップロードされていましたので貼っておきます。

大会の雰囲気が伝わると思います。


2013年 第14回 全日本学生ドイツ語弁論大会 - YouTube


2012年 第13回 全日本学生ドイツ語弁論大会 - YouTube


2011年 第12回 全日本学生ドイツ語弁論大会 - YouTube

 

見ていると弁士の皆さんそれぞれ思い思いのテーマについて語られていて、日頃練習したのだろうなという努力も垣間見ることができますね。

このように「スピコン法」は外国語を学習する上で大きな効果をもたらすと同時に、他の学習者との交流も生まれ日本での語学学習にありがちなアウトプット不足解消の場にもなると思います。

初めは恥ずかしいと思うかもしれませんが、参加後は達成感と共に新しい仲間も獲得でき、語学学習において大きな刺激を得ることができると思います。

今回はドイツ語を紹介しましたが他にも英語、スペイン語、イタリア語など、今日本で外国語を学ばれている方は一度この種の大会に参加されてみてはいかがでしょうか?

語学力の向上だけでなく、他にもきっと得るものが多いと思いますよ。

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