Der Glockenbaum

独逸在住日本人の日々想ふこと。

東京の満員電車から見る東京一極集中化の弊害

先日、ドイツの大手週刊誌Der Spiegelで東京の満員電車の記事が出ていました。

写真家Michael Wolf氏が撮影した東京の満員電車に押し込まれる乗客たちの苦悩に満ちた顔を見ていると、先進国である日本の非人道的な生活を垣間見ることができます。

ドイツでも都市部では遅延等で地下鉄が満員になることはありますが、通常は身動きが取れないほど満員になることはありません。

またドイツの地下鉄やS-Bahn等の近郊離列車の場合、それほど離れた街へは路線が結ばれていない為、東京のように通勤に平均58分もかけ過半数の人が1時間を超える、なんてことはまずありえませんし、別の離れた街から毎日通勤するというケース自体が日本の首都圏などと比べて圧倒的に少ないと思います。

それでは記事とともに東京の日常の通勤風景を見てみることにしましょう。


Pendler in der U-Bahn von Tokio - Fotos von Michael Wolf - SPIEGEL ONLINE

U-Bahn-Pendler in Tokio: Plattgemacht

Gepresst, gequetscht, dem Schicksal ergeben - Pendler in Tokio machen bei jeder U-Bahn-Fahrt eine Extremerfahrung: die Enge. Der Fotograf Michael Wolf ist den Menschen hinter den Fensterscheiben ganz nah gekommen.

 ぺちゃんこにされる東京の通勤車たち

押され、押し付けられ、その運命に従う - 東京の通勤者は地下鉄利用時に毎回「狭さ」という極限の体験をしている。写真家のMichael Wolfがその窓ガラスの向こう側にある人々に迫った。

記事では「東京の地下鉄は極めて安全であるが、世界で最も利用率が高い」と紹介され「年間30億人が13路線の地下鉄を利用している」とその多さが強調されています。また「東京メトロ」がを満員電車の中に乗客を押し込む、いわゆる"Drücker"=Oshiyas(押し屋)として紹介されています。

それではその写真集をどうぞ。

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この写真でMichael Wolf氏はWorld Press Photoの「日常」というカテゴリーで賞を受賞しているそうです。

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この写真とともに日本の性的問題である「痴漢」がSexuelle Belästigungとして紹介されている。

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2010年にもDer Spiegel氏ではMichael Wolf氏の写真記事を発行しています。


U-Bahn-Fotografie in Tokio: Knautschzone des Kapitalismus - SPIEGEL ONLINE

時代とともに新しい技術やその恩恵を受けているはずの現代人。特に東京のような先進的な都市では人々の生活はとても先進的だとヨーロッパ人は想像しがちですが、実際の生活は毎朝満員電車に揺られて通勤し、月に何十、何百時間にもおよぶ残業をし、帰りもまた同じような満員電車に揺られて帰るという毎日。

私にはこれが到底人道的な生活とは思えません。

実際、一時帰国した際に何が一番堪えられないかというと、東京の人の多さと、満員電車の汗臭い匂いです。

想像するだけでも鳥肌が立ちます。

素晴らしい点も多い日本ですが、東京への一極集中化は大きな弊害をもたらしており、日本の欠点にもあげられると思います。

現在のままでは今後も急速に過疎化は進み、消滅可能性都市の問題もかなり現実味を帯びてくると思います。

そんな日本のこれからの姿を考える上で、地方分散傾向が非常に強くある意味では日本とは真逆のドイツという国から、日本はまだ学ぶべき点があるのではないでしょうか。

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